前進する力/家具組合全体会議から

静岡の伝統的な地場産業「家具」。

「吉蔵」は静岡の家具メーカーを統括する「静岡県家具工業組合」に所属している。

その家具組合の全体会議が、10年振りくらいに行われた。



まずは「組合の現状について」事務局より報告。

平成24年度の活動実績、組合員の推移etc.

続いて本命の「シズオカKAGUメッセ」について

→昨年度の実績とこれからのメッセ事業のビジョン・方向性についての発表。

淡々と会議が進む中で、理事長からのこれからの静岡家具のあるべき姿と

これからのメッセに対するビジョンの話は、特に説得力があった。

全国で、総合的な家具産地は、静岡と九州大川しかない。

数と価格が中心の大川の魅力と対極的な静岡らしさを前面に打ち出した見本市が必要。

 1. 江戸指物の流れを汲んでいる駿河指物の技術を生かす。

 2. 低資源社会として再評価される江戸時代を見習うと共に、

   日本文化を継承していく意味も含めて日本木材を使った地産地消の家具をアピール。

 3. 技術・伝統・実績のある、静岡ならではのビスポークモデル家具を強調。

静岡家具の源流である「指物」は元来ビスポークモデル(オーダーメイド)。

伝統を支えてきた旦那と職人の関係から生まれ、熟成されてきた。

全国家具産地全体レベルでみたとき、静岡家具のセンスの良さと伝統技術の高さは、

今でも他産地より優るとも劣っていない位置にあると思う。

更に日本の中心にある静岡の「地の利の良さ」と

「温暖な風土が育んだおおらかな人柄の良さ」が利点として加わる。

しかし、そういった元から備わっている恵まれた環境が、

人を押しのけて前に出ることを拒んでいる要因である、ともよく言われる。

私も以前はそうだったし、いまでも行動に躊躇することが多い。

それは、静岡人に限らず今では世界の中のおとなしい日本人に通ずるのかもしれない。

ただ、現実は他人事ではなく、留まってじっとしているといずれは消えていく伝統産業。

何代にもわたって培われた技術や文化が知らぬ間に無くなっている。

それが現在、日本各地に共通するの地方の姿なのかもしれない。

「伝統」はやはり、「革新」があってこそ生き延びる。

希望は、それでもこの会議に関心を持ち、集まってきた組合員が多数であったこと。

何とか家具業界を、KAGUメッセを良い方向に向けていきたいと共通に思っていること。

組合が組合員に何をしてくれるかを期待すると同時に、

私たち組合員個人が、組合全体の利益のために何が出来るか。

そろそろ、そういうことを真剣に考える時期なんだ、と気付いているのだろう。

そう言う私は・・・。

 1. 家具メーカーのHPを見直し活性化するために、HP勉強会を開く。

 2. 組合員の情報交換が出来るような、メーリングリスト

   あるいはfacebookなどの掲示板が利用出来るよう働きかける。

 2. 今年のKAGUメッセ会場に、家具に関心を持っている団体を招待し、

   各ブースの案内をする。

そういうことを、少しずつ始めていきたいと動き始めた。