祈りの家具 ZUSHIカシコ



   

キャプション

仏壇や厨子のイメージを新たにした祈りの家具。合掌型フォルムが大切なものをやさしく包み込む形を表し、

内部の空(うつ)なる空間は、祈る、祀る、納めるという人の行為とその心を受け取ります。

天を指す鋭角の屋根と、背面のスリットから差し込む光は

宗教や民族を超えた世界共通の祈りの表現の象徴と言えましょう。

接合部は雇核接(やといざねつぎ)による変形の留接を施し無垢材の反りを予防。

素材は花梨、黒檀、チークなど、稀少で美しい木材を使用。

建築デザイナー・吉田豊氏と指物職人・名波勁氏の合作。

<サイズ>間口31×奥行25×高さ38cm 

<材質>花梨材・黒檀材・チーク 材 

<参考価格>¥120,000 (税別)より

デザイナーのコメント

大切なものをしまっておく箱という用途を考えてみました。

形はそのものが置かれている周囲の状況との関係の中でよく見えてきます。

そしてその中にしまわれているものは何かということも含めて、そこにある意味が生まれます。

その意味とのやり取りが生活を豊かなものにしているのではないでしょうか。

このようなものの在り方が、私たちの身の内にかすかな振動を起こしはしないか、

そんなことを期待しながら形を探ってみました。

Good Design賞審査委員による評価コメント

仏壇が祈りの箱として日本から世界マーケットへと拡大している中での着眼点が良い。

作りのクオリティーが高く、奥のスリットから光が入る小空間は、美しくも厳かな雰囲気を醸していて、

仏具というカテゴリーを超えている。