粋の文化/江戸指物家具

国の伝統工芸品に指定されている江戸指物家具。

町人文化と共に発達し、旦那衆、歌舞伎役者、花柳界など、粋人に好まれた木工芸品です。

桑、献保梨、キハダ、塩地材など、美しい木目生かした端正な造形美と、

職人技術の粋を集めた堅牢な作りが特徴です。

特に「島桑」については、前回の話のように、2万円の前田桑明作の盆が120万円と評価される世界で、

その制作者は「桑物師」「桑樹匠」という最高の称号で呼ばれる、名誉ある職人です。

前田桑明、前田南斉、須田桑月、島崎秋吉、佐藤徳太郎、島崎国治など、

「桑物師」が江戸指物黄金期を築いた後、木村正氏、戸田敏夫氏、恩田勝哉氏、島崎繁明氏など

現在の江戸指物職人の方々に受け継がれています。



東京には江戸指物共同組合があり、毎年3月、谷中の「木楽庵」で江戸指物の展示会が行われています。

以前、私もこの展示会に何度も通い、江戸指物の魅力、島桑指物の美しさをを味わってきました。

写真は今年の展示会のDMですが、「男鏡台」とも呼ばれる島桑の回転鏡が載っています。

網代模様の裏は鏡になっていて、前扉を上に開け、後方に引いて使用します。

引出や盆、棚も内蔵しながら、コンパクトな40cm程の高さで、持ち運びも可能。

本三面鏡台のような華やかさはありませんが、男振りをチラッと見て、蓋をする、何とも粋な箱鏡台です。

次回は、それほど沢山はありませんが、私が所有している島桑小物をいくつか紹介させてください。