島桑の島・御蔵島

しっとりとした粘りのある木味。 緻密で底光りがする木目の美しさ。 山吹色からあめ色に妖変する幽玄な材、「島桑」。 桑を扱う指物職人を桑物師といい、別格の称号でありました。 彼らが口を揃えて言う、最高の島桑材のふるさとは、伊豆の島「御蔵島」。 島桑に関する資料は本当に少ないのですが、 島桑の島「御蔵島」についての本もほとんど見かけませんでした。 島桑マニアの英国人B氏の依頼もあって、島桑の資料を捜していたところ、 とてもいい本が見つかりました。


縄文時代から人が住み、江戸時代からの約束事で成り立っている。 人口の増減はなく、産業の1つが林業。 良質のツゲや桑材が、管理のもと伐採され出荷されてきましたが、 いまでは屋久杉以上の、稀少材。 自然のまま、森の奥に眠っているそうです。


御蔵島出身の写真家が、一年かけてこの奇跡のような島を撮影しました。 御蔵島の豊かな自然と、そこに住む人たちのおだやかな顔。 開発が遠く及ばないこの島を理想郷とみた、かけがえのない写真集です。