ピアノコンサートで三つの有りえないハプニング
久し振りに妻とピアノのデュオリサイタルに行った。
会場は50人ぐらいのホールで、ピアノを囲むアットホームな雰囲気。
曲目はドビュッシーからストラビンスキーまで、
近代から現代への私のお気に入りの曲が揃っていた。
![](https://img01.eshizuoka.jp/usr/k/i/t/kittsan/%E9%9D%92%E5%B3%B6%E3%83%9B%E3%83%BC%E3%83%AB.jpg)
ポポポポポ、ピピピピピッと、何処からか電子音が・・・。
「携帯の電源はお切り下さい。」のアナウンスがあったが鳴り止まない。
誰だろう?と思っている内に、はっと妻が私のバックを開けた。
あらら、そこで私のiPadが鳴っているではありませんか。
どうも誰かがFaceTimeで呼んだような形跡があった。
携帯も切ったのに、iPadから音が漏れたのは初めて。
不覚でした、ゴメンナイサイ。
前半最後の曲は私の大好きなラベル。
彼のえも言われない美しいピアノ曲「マ・メール・ロア」が終わりに近づいた頃、
斜め前方のご婦人が突然倒れかかる。
とっさに隣と後ろの男性が、椅子ごと抱えて場外へ連れて行った。
ざわざわしたけれど演奏はそのまま続けらて、私も曲が終わった後すぐ場外へ。
「大丈夫ですか?」
場合によっては心臓マッサージを必要になると思ったけれど、
幸い御婦人は意識を取り戻していて、ホッとした。
さて、一服して後半は大曲ストラビンスキーの「春の祭典」。
ピアノ連弾の為、2人のピアニストの指が交差し、何とも忙しい。
加えて楽譜めくりの担当者もいて、ピアニストが頷くとパッとページをめくっていく。
そのタイミングのいいこと。
不協和音に溢れ、演奏も終盤に差し掛かった時、演奏が突然止まった。
なんと、楽譜が倒れてどのページか解らなくなってしまったのだ。
ページを戻し、奏者が 「ここから。」と示して再びピアノが鳴り出した。
それから演奏は最後に向かって興奮のるつぼ化し、
演奏者も観客も一体となり、このハチャメチャ難曲の「春の祭典」にどっぷり浸っていった。
慌ただしくも二度と味わうことが無いだろう三つのハプニング。
いやいや演奏がどうのこうのと言う以上に
珍しい出来事で十分楽しませて頂いたコンサートでした。