私と統一教会、ちょっとだけの関わり

もう50年近く前遠い昔のことですが、私と統一教会の関わり(ちょっとですが)について思い出しました。

1972年大学を卒業し、もう2年英語専門学校へ通っていた頃です。その頃は70年安保は下火になりましたが、いわゆる連合赤軍がテロ化し、浅間山荘事件から仲間同士のリンチ殺人事件が起き、世の中が騒然となっていました。そんな不安な毎日の中で、私の同級生のある女性が私に声を掛けてきました。

「あなたは迷いのない素晴らしい人生を送ることが出来る。」私は将来の展望もなく、もうすぐモラトリアム期が終わってしまう事に虚しさを感じていた頃でした。真面目で大人しい女性でしたが、確信を持って語る話にだんだん興味を持つようになりました。「私の話だけでは納得出来ないなら一度合宿に行ってみたら。」私の悩みや疑問をとても真剣に聞いてくれていたので、その言葉を信じて徐々に合宿に参加する気持ちになりました。

詳細は忘れましたが参加費はとても高額で、東京近郊のとある所の質素な会場でした。数十人の若者たちが集まり、二泊三日で学習会が行われました。ほとんど休憩もなく統一原理を学びます。アダムはエバは、キリストは・・・。キリスト教の教理を独特の解釈で説明するのですが、信仰心のない私は難しくて理解できません。学習が終わって食事時になっても皆でディスカッションを交わし合います。もちろん風呂はありません。

そんな日が2日続き、最後の日の夜、凄いことが起きました。今までの抑圧的な雰囲気が嘘のように、無礼講の大宴会が始まったのです。びっくりするような贅沢な食べ物、チマチョゴリを着た女性が舞を舞い、どんちゃん騒ぎとなったのです。皆は楽しそうにしているのですが、呆気にとられた私はとにかくここを出たいの一心で、早くお終いになる事ばかり願いました。

それから数日後、合宿参加を勧めた女性は「どうだった?」と聞いてきました。「難しすぎてわからない。」と言うと、「それならさらに一週間の合宿があるからそれに参加すればきっと理解出来る。」とワンステップ上の学習会を勧めました。

二泊三日の合宿で違和感を感じた私は返事を渋っていた所、彼女の親しい友達から「杉山さん、合宿に行ったんだって?」と聞かれ、「あれは統一教会というキリスト教を模した新興宗教だから近寄らない方がいいよ。」と忠告を受けました。

私もハッと気がつき、静岡へ戻らなければならない事もあってこの件はそれで終わりになったのです。