映画の事

シネコンzartのnice seatと退屈な映画「マネーボール」

先週末、待ちに待ったcenova9階、シネコンシネマシティzartへ行ってきた。 名前でイメージする古い映画館の匂いは既に無く、 セノバの中のザート、そして「1〜10番シアターご案内」の味気なさ。 でも、中に入ってしまえば、どの劇場であろうと同じ事。 最後…

老練監督の美酒を飲む/映画「ゴーストライター」

世界の不条理を描くことが目的であったとしても、 映画を知り尽くした老練な監督にとって、 映画ファンを「う〜ん!」とうならせる事こそ最高の満足なんでしょう。 映画「ゴーストライター」を見て、私も映画の醍醐味を堪能しました。 元英国首相アダム・ラ…

暴力と非暴力の間/映画「未来を生きる君たちへ」

今年のアカデミー賞最優秀外国映画賞受賞。 さらに、ゴールデングローブ賞最優秀外国映画賞受賞のW受賞の快挙。 映画「未来を生きる君たちへ」は誰もが納得できる、デンマーク映画の傑作です。 デンマークに住む二つの家族。 母を亡くし、祖母の住む父の生…

映画の街に日が暮れて・・・

10月最初の日曜日。七間町の静活映画館街。 オリオン座や有楽座、ピカデリーやミラノの前には、 閉館を惜しんで、街の風景をカメラに納める人でいっぱいでした。 私は、もう一度「グランドジャット島の日曜日の午後」の大壁画をズームで撮影。 たしかにタイ…

さようなら、七間町静活映画館

9月は別れの季節。 オフコースの名曲「秋の気配」にあるような、恋の別れではないけれど、 自分の好きだったものが、消えてしまうのは、誠に辛いものです。 ケーキ工房「ビスケットキング」の閉店をお知らせしました。 そして、私の青春だった七間町静活映画…

壮大なる空疎/映画「ツリー・オブ・ライフ」

伝説の映画作家、テレンス・マリック監督。 67歳までの生涯に、僅か5本の映画。 2作目の「天国の日々」で評判をとり、 5作目の「ツリー・オブ・ライフ」でカンヌ映画祭パルムドール賞受賞。 1950年代半ば、中央テキサスの田舎町で幸せな結婚生活を送っていた…

高濃度放射性廃棄物処理の困難/映画「10万年後の安全」

原発に反対か賛成か、の問題ではない。 そこから生まれる廃棄物の処理で、地球の未来はどうなっていくのか。 世界各地に暫定的に集積されている、高濃度放射性廃棄物。 その数、20〜30万トン。 自然災害、人災、戦争など、社会変化があればたちまち猛威をふ…

エ○・グ△・ホラーの三拍子/映画「ブラックスワン」

今のスピードとはかけ離れた、牛歩のような場面展開に、 半分くらい眠りの世界に連れて行かれてしまう映画、「ブンミおじさんの森」。 だからといって、その映画がつまらなかったかというと、そういう訳ではありません。 たとえば、「ブラックスワン」のよう…

??? むむむ グググゥ・・・/映画「ブンミおじさんの森」

東洋の映画はいつの時代も、西洋の映画文化人のあこがれなんでしょう。 タイのアピチャッポン・ウィーラセタクン監督作品「ブンミおじさんの森」。 2010年カンヌ映画祭でグランプリ(パルムドール賞)を受賞した傑作のようです。 肝臓の病に冒され、死を間近…

中国の現代風俗スケッチ/映画「スプリングフィーバー」

今年の連休は仕事半分、休み半分。 期間中に数組のお客さまが「吉蔵」を訪問して下さいました。 スカイプ教室に参加したり、近場の温泉に行ったり。 そうそう、FM清水のスタジオに呼ばれ、ゲスト出演もしましたっけ。 そして、雨の一日、鈍行で浜松へ。 話題…

現実と映画のはざまで/映画「ヘブンズストーリー」

5時間近い、壮大な長編日本映画「ヘブンズストーリー」を見るために、 前夜は睡眠時間をたっぷりとり、上映の2時間前にチェックインし、準備した。 昨年の日本映画ベスト作品「悪人」「告白」以上に見たかった映画。 初日同日、原発学習会が2カ所であったけ…

「英国王のスピーチ」と「トゥルー・グリット」どちらがお好き?

震災以降、原発が恐くて映画どころではなかったけれど、 4月初旬、少しは落ち着いたところで、立て続けに話題の映画2本を見た。 2010年度アカデミー作品賞受賞作・イギリス映画「英国王のスピーチ」。 上映中のシネギャラリーでは、1か月以上経っているのに…

浜松映画人の心意気に感動する。

「スプリングフィーバー」という映画をご存じですか。 “ 春の嵐”(スプリング・フィーバー)により掻き乱された一夜を彷徨うかのような、 男女五人の、複雑に絡み合う想いと衝動。 中国で映画製作を禁じられたロウ・イエが描く最も純粋なラブストーリー。 こ…

わたしたちの物語/映画「海炭市叙景」

夭折した小説家・佐藤泰志の短編集「海炭市叙景」のなかの5編を映画化したものです。 プロの俳優とオーディションで募集した、モデルとなっている函館市民が混在して、 淡々としたドキュメンタリーのような雰囲気を出しています。 地方に住む人たちの、何処…

フラットな時代をflatに描く/映画「ソーシャルネットワーク」

最近「フラットな社会」とか、「flatな人間関係」とか聞くけれど、 私の解釈に間違えなければ、「ソーシャルネットワーク」は、 まさしく「フラットな時代を描くフラットな映画」なんではないでしょうか。 世界中で約6億人もの会員を持つ米交流サイト「フェ…

自己愛に満ちた男の一日/映画「シングルマン」

正月休みに1本は映画を見よう。 今年20本以上の映画を見ることを目標に、捜した映画がこれ。 「シングルマン」は、独特の雰囲気を持った、作家の自己愛の物語でした。 その日は大学教授ジョージにとって特別の一日だった。 16年間共に暮らしたパートナーが、…

今年の映画・わたしのベスト3

年末になったので、2010年に見た映画の総括をしました。 今年見た映画は14本。正直少なかったです。 「母なる証明」 「戦場でワルツを」 「チェーサー」 「ハートロッカー」 「第9地区」 「17才の肖像」 「息も出来ない」 「告白」 「カラフル」 「悪人」 「…

ふつうの人・ジョンレノン/映画「ノーウェアボーイ」

シネギャラリー7周年記念、ファン集いの会に行ってきた。 初めの頃は熱心に通ったけれど、ゲストのおすぎのトークがマンネリで、 そのうち行かなくなっていた。 今回は、ゲストがビーター・バラカンさんに変わったということと、 どうしてもしなくてはならな…

音楽で描くイランの現実/映画「ペルシャ猫を誰も知らない」

映画「酔っぱらった馬の時間」では、馬を酔わせて厳冬の地を荷運びさせる少年を。 映画「亀も空を飛ぶ」では、イラク兵にレイプされ、生まれた子供を殺してしまう少女を。 共に、少数民族クルド人の過酷な暮らしと絶望を描いて、衝撃的な映画だった。 見た後…

「悪人」は誰なのか/映画「悪人」

傑作小説吉田修一著「悪人」を映画化し、 モントリオール国際映画祭で深津絵里が主演女優賞を獲得した、話題の映画「悪人」。 ずっと前から読みたかった本なので、映画はどうかなと思いつつ、鑑賞。 飽きることはなかったけれど、韓国映画のような凄みがなく…

アニメ色で描く心のひだ/映画「カラフル」

「クレヨンしんちゃん」シリーズや、名作「河童のクゥと夏休み」で、 揺れ動く少年たちの心を、情感豊かに描いてきた原恵一監督の新作アニメ。 「カラフル」は、魂のよみがえりを通して生きる意味を問う、珠玉の作品です。 天上と下界の間をさまよう魂{ぼく…

モンスターたちの復習劇/映画「告白」

日本映画の、今年最高の話題作で、大ヒットして続映中です。 見終わった後は、正直「凄い映画だ!」とは思ったのですが・・・。 「私の娘は事故死ではなく、クラスの二人の男子生徒に殺された。 少年法に守られている彼らに、私が裁きを下します。」 女教師…

もう一つの教育/映画「17歳の肖像」

殺人もなく、暴力もなく、性描写もなく・・・。 久しぶりに、まじめに、良識ある映画に出会えました。 映画「この自由な世界」にも共通する、イギリス映画の大人の味。 「17歳の肖像」は、世界共通のテーマ「教育(エデュケーション)」に真正面から取り組ん…

暴力で描く彷徨える魂/映画「息もできない」

「母なる証明」「チェイサー」に続く、今年3本目の韓国映画。 「息もできない」は、最近一番見たかった映画で、待ちに待って初日に鑑賞。 暴力の連続にうんざりしながらも、 主人公たちの熱い思いがヒシヒシと伝わってくる、痛いような映画でした。 友人が経…

B級ゲテモノ映画の話題作/映画「第9地区」

いわゆる低予算の、B級ゲテモノSFには違いないけれど、たいへん面白い作品です。 今年のアカデミー賞で「ハート・ロッカー」「アバター」と共に話題になりました。 南アフリカ共和国のヨハネスブルク上空に突如宇宙船が出現。 28年後、乗船していた100万…

これもまた、ヒーロー映画?/映画「ハート・ロッカー」

つい先日行われたアカデミー賞で、作品賞はじめ9部門をさらった話題作「ハート・ロッカー」。 静岡では、Movix清水で上映中、評判は上々で、結構混んでいました。 最近は刺激的な映画ばかり見ていたので、緊張を強いられる映画はつらい。 またか、と思いまし…

夜と雨と血と泥と/映画「チェイサー」

韓国映画の底力をまざまざと見せてくれる、怪作クライムサスペンス。 時代離れした純愛モノの対極にある、もうひとつの韓国映画の顔、猟奇スリラー。 あまりのハイテンションで、見終わった後、ぐったり疲れました。 風俗業で、客にデート嬢を斡旋している元…

アニメで描く戦争ドキュメンタリー/映画「戦場でワルツを」

映画の興味を引くものとして、その内容(ストーリー)が大部分を占めていますが、 それを、どういう表現方法で描いているかも、大変重要な要素です。 この映画は、戦争の真実を、アニメーションドキュメンタリーという、 独特の手法で描き、世界中で絶賛され…

愛と狂気の真実/映画「母なる証明」

初日だというのに、10人もいないガラガラの映画館。 こんなに面白い映画を見過ごしてしまうなんて。 日本映画がつまらなくなったのは、日本の映画ファンに見る目がないからデスッ!! 母一人子一人、子供のまま成人したような息子と、子を溺愛する母親。 性…

私の好きな映画・今年のベスト3

今年もあとわずか。 クリスマスの今日から、あと一週間で新しい年2010年に。 こどものいない我が家では、ミニカシコにエンジェルを飾って、Merry Christmas。 ウィーンの思い出が強く残って、好きな映画も、秋以降はわずか3本しか見なかった。 「ポー川のひ…